【MBFTCG】第1回 MYC杯 アナライズ[橘ありすの春]
みなさま、こんにちは。
バーチャルメイドアナログゲーマーの曳山まつりかです。
先日、お屋敷にもついにMBFTCGが届きました。
ルールは少し難しいのですが、とても深く楽しいゲームです。
私は体が弱くお屋敷から出ることが中々難しいのですが
いつかみなさまと対戦してみたいですね。
さて、先日開催されたMYC杯について詳細な分析がまとまりました。
客観的なデータと私の感想を交えてご報告いたします。
結果そのものについては前回の記事をご覧くださいませ。
hikiyama-matsurika.hatenablog.com
1.概説[Are you Alice?]
第2弾頒布後、初の大会ということもあり、SNS上ではどのようなデッキが活躍するのかという予測が盛んに行われました。
そんな中で、明らかなパワーカードである《橘ありす/56》が次第に注目を集め始めていきます。
大きな代償がありつつも、防衛をしつつ勝ち点に繋げる能力は絶大で、《望月聖/64》のバックアックがあることも追い風となり実戦をまたずに一躍メタゲームの中心に躍り出ました。
いかに《橘ありす/56》を運用するのか、いかに《橘ありす/56》を対策するのか。
そして本当にキーカードは《橘ありす/56》なのか。
誰にもわからない手探り状況の中、アイドルインビテーションの権利を賭けた大会が行われました。
2.分析[in fact]
1.メタゲーム(Alice or not Alice)
事前の予測通り、《橘ありす/56》を基軸とした魔法使い/コントロール系のデッキが大勢を占めました。
その中で優勝されたカミム氏のデッキはやはり、
インディヴィジュアルを軸としたアグロと《橘ありす/56》を軸としたコントロールとなっています。
《橘ありす/56》系デッキは明確に勝率が高くその他のデッキに対して64%の勝率を誇ります。アーキタイプ別の勝率ランキングでも上位であり、メタゲームの中心に圧倒的な強さで鎮座しています。
その他、アグロに寄せた《橘ありす/56》アグロや、《橘ありす/56》なしのコントロール、レスト狙いデストラクション系デッキ、魔法使い以外のアグロデッキも健闘しています。
また、重要な事実として今回の大会では明確に先手の勝率が高くなっています。
先手有利の理由はコントロールされる前にキャッスルインを目指すアグロ戦略はもちろんですが《橘ありす/56》ミラーが理由だと私はみています。
ミラーマッチでは《橘ありす/56》そのもので《橘ありす/56》を排除することが有効な戦略のため、どちらが先に《橘ありす/56》を使うかというチキンレースになりがちです。
そのため、先に相手にプレッシャーを与えることができる先手番が有利となったと考えられます。
2.ありすを巡る戦い(Strawberry Panic)
メタゲームを通して《橘ありす/56》を対策するためには《橘ありす/56》を使うという戦略が色濃く出ているように感じます。
また、対抗馬として亜人を起用したアグロ系のデッキも多く選択されています。
2deckである以上《橘ありす/56》を使うことができないため、もうひとつのデッキも《橘ありす/56》の対策に重点が置かれたのでしょう。
人間よりも亜人が選択された理由としては《三船美優/10》《宮尾美也/71》《成宮由愛/38》という「こもりうた」持ちの多さ、「ひきとめる」「そらをとぶ」などの小回りの良さだと考えられます。
また《城ヶ崎莉嘉/44》も魔法使いキラーとしての存在感を発揮しています。
この魔法使い族対亜人族という構図の中、人間族はどうしていたのでしょうか。
人間族主軸のデッキはわずか7%です。
小回りのきく亜人族に比べ、直線的な人間族を主軸にすることはコントロール全盛の環境ではリスキーという判断が下されたようです。
しかし、人間族は全く使われていなかったのか、というとそうではありません。
人間族は、使用枚数こそは最下位でありますが亜人とは8枚差程度と大きな差があるわけではありませんでした。
人間を主軸としたデッキが少ないにも関わらず、使用枚数が亜人と拮抗しているのは
《脇山珠美/49》《北条加蓮/15》を筆頭とした高性能なユーティリティカードの存在によりスポット的な採用が多いためです。
中でも《脇山珠美/49》はバックメンバーの数を減らすことで《橘ありす/56》を機能不全に陥れることができます。またレスト狙いのデッキのキーカードとしても採用されています。
《氏家むつみ/50》は魔法使い屈指のパワーカードである《依田芳乃/55》との相性の良さから採用が進んでいます。
非《橘ありす/56》デッキにおけるアグロデッキの主軸として活躍しています。
逆に、人間族を主軸したデッキが少ないこともあり《渋谷凛/12》は非常に高い性能でありながら採用枚数はかなり控えめです。
また、そのほかの注目カードとしては
《森久保乃々/35》《星輝子/09》《浜口あやめ/60》が挙げられます。
《森久保乃々/35》はインディヴィジュアルズの不死身のアタッカーとしての運用はもちろんこと、《橘ありす/56》《脇山珠美/49》のコストとしてスポット的に採用されています。
現状15枚のミニ構築環境では《望月聖/64》と並んでカードアドバンテージを得ることができる数少ないカードです。
今後採用が加速していくとみられます。
続いて、《星輝子/09》は 《森久保乃々/35》のユニット能力の発現はもちろん、防御性能の高さやCP(シンデレラポイント)の安さが評価されているようです。
《北条加蓮/15》の「まもり」以外では「みちづれ」は突破できないため信頼性が非常に高く、表にしていてもデメリットは小さいです。またCPの安さは《神崎蘭子/21》と相性がよく「みちづれ」は相手アイドルをレストに送るため、レスト狙いのデッキでの採用もみられます。
《浜口あやめ/60》はアグロデッキでの採用が目立ちます。
「せめてたる」での奇襲やユニット能力でのスペックの高さが特徴的です。
「センゴク☆華☆ランブ」を活用したデッキは対《橘ありす/56》デッキへの勝率がよく、今後対抗馬として期待が高まります。
《橘ありす/56》デッキ(コントロールありす・アグロありす)はその他のデッキに対して64%という高い勝率を誇りますが、その《橘ありす/56》デッキに対して戦国アグロは60%の勝率を獲得しています。
より研究が進めば《脇山珠美/49》《丹羽仁美/53》《首藤葵/54》と共に《橘ありす/56》デッキキラーとして人間族が復権する日も近いしれません。
最後に《道明寺歌鈴/22》は14名全て採用という結果を残しています。
攻めてよし、守ってよし、フィールドでも手札でも活躍する、この空飛ぶ巫女さんはこのありすゲームの影の女王だったのではないでしょうか。
3.創造は始まりの風を連れて(Predict)
《橘ありす/56》によって始まり、《橘ありす/56》によって終わった第1回MYC杯、いかがでしたでしょうか。
《橘ありす/56》が中心の環境ではありましたが、多種多様なアーキタイプがせめぎ合い非常に難しい環境だと感じます。
2回では、手探りであった第1回のこれらのデッキを礎としてより洗練されたアーキタイプとしてそれぞれ確立されていくでしょう。
《橘ありす/56》デッキは勢力は維持しつつも、アグロ・コントロールなどよりコンセプトが明確化したものに変化し、対抗馬として「センゴク☆華☆ランブ」デッキ、インディヴィジュアルズデッキがより台頭していくのではと考えます。
他にも「ふいうち」を活用したアグロや、琴葉アグロ、3色コントロールなどはアンチ「《橘ありす/56》アンチ」デッキとして成長する可能性があります。
基本的に私はみているだけの立場ですがどのアイドルにスポットライトが当たるのか非常に楽しみです。
3.予告[DIAMOND DAYS]
次回MYCについて正式なアナウンスは後日となりますが
6月23日(土)に第2回MYC杯が品川区にて予定されています。
また、5月下旬もしくは6月上旬にも仙台にて体験会が予定されています。
この記事を読んで興味を持たれた方はぜひともご参加ください。
まだ正式決定はしていませんが再販についても前向きに進んでいるようです。
とても楽しみですね。
次回以降の更新ではアーキタイプに沿ったサンプルデッキを
紹介していこうと思います。
長文・拙文でありながら最後まで
お読みいただきありがとうございました。
またお越しくださいませ。
追伸:さて《橘ありす/56》という言葉全部で何回登場したでしょうか
written by 曳山まつりか